冷却CMOSカメラによる天体写真
10月に導入した冷却CMOSカメラの性能に圧倒され,さらにセンサーサイズの大きい(APS-Cサイズ)新製品が売り出されていたので,最近のセールでやや衝動的に購入してしまいました。このサイズですと,7.5cmF5の屈折望遠鏡と組み合わせて,淡く広がる赤いガス星雲の全体像を撮ることができます。また,いままで一眼レフで撮ってきた,メジャーな対象を,一段も二段も高いレベルの写真に仕上げられると考えた上での選択です。費用は,1インチサイズのものと2つ合わせても,デジタル一眼フルサイズのハイエンド機種1台と同じくらいです。
撮影データ:2020年12月17日(20:33~)露出3分20枚,望遠鏡:ペンタックスED75HFレデューサー(D75mm,fl371mm),カメラ:ASI2600MCpro,GAIN0,冷却温度-20℃,マウント:SkywatcherEQ5GOTO赤道儀,ガイドカメラ:ASI120MM,撮影ソフト:ASIAIRproを使用。
今まで何度も撮り直してきたアンドロメダ星雲ですが,一発でそれらを凌駕する写りです。冷却でノイズがほとんどなく,センサーが16bitと通常の14bitより4倍の階調(ダイナミックレンジの広さ)で画像処理が思うままにできる感じです。天体の導入にASIAIRを使うと,いつも同じ構図で撮影できるので,何度も撮り増しができます。ガイドの不具合もほとんどなくなりました。次の,プレアデスもメジャー中のメジャーな天体で,星雲の出し方にいろいろ苦労してきましたが,難なく周辺の分子雲も写り始めています。
こちらも,露出時間は3分20枚で同じ1時間です。デジタルカメラには,感度(ISO)という概念がありますが,実は望遠鏡と露出時間が同じなら,センサーがとらえる光のエネルギーは同じなので,計算で値を増やし(増感し)ているわけで,ノイズを含んだ元の値がばらついているために,画像処理をおこなうほど,ザラついて(ノイズが増幅されて)くるわけで,ノイズが少ないほどいくらでも(従来に比べて)強調することができるということが理解できた気がします。いままでは,強調(ストレッチ)によってハイライト部分(星など)がすぐに飽和(白飛び)してしまいましたが,冷却CMOSカメラでは色がよく出て階調が豊かな写真になります。
バラ星雲も何度も撮りましたが,このように赤さを強調しても,嫌みがないと言いますか,自然な感じで強調ができる(ほとんど感覚的な話)のでストレスがありません。
今年は,12月には寒波も本格化して遠征では寒い思いをしますが,年内にもう一度出かける予定です。天体写真のページを随時更新していきたいと思います。→ 追記 12月20日に八ヶ岳南麓の星が見られるペンションに泊まってオリオン大星雲を撮りました。これも,自分ではないような写りで驚いています。3分30枚(90分露出)でこれだけ写ると,さらに欲が出てきますが,年内はこれが撮り納めです。
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こんにちは。
先日、奥志摩アクアフォレストで、日本に3台しかないと言われる50㎝の天体望遠鏡で星を見てきました。小学生の時に好きだった星ですが、あまり知識がなく、ちょっと勉強してから行けばよかったと後悔しました。
これからこの記事でいろいろ勉強したいです(*^^)v