撮影機材をWi-Fi化しました。

望遠鏡での星雲や銀河を撮影するための機材の自動化(IT化?)が進んでいます。天体写真用に特化したカメラを製造しているZWOからWi-Fiで赤道儀やカメラを制御するASIAIRというギアが発売されています。それともとから使っている赤道儀のWi-Fi コントロールアダプターも注文して,ごらんのようなシステムができあがりました。まだテスト段階ですが。

現在のアマチュア向き望遠鏡で天体を撮影するには,モーターで駆動する赤道儀に,恒星の像の動きを検知して追尾を補正するオートガイドという機能が使われています。望遠鏡と外部をつなぐケーブルは,これでも充分ケーブルまみれのように見えるかもしれませんが,Wi-Fi化によって,オートガイドのための小型の望遠鏡とカメラの情報をパソコン(ASIAIRはラズベリーパイという小型パソコンをベースしている)で判定し,その信号をモーターコントローラーに送っている白いケーブルとASIAIRへの12Vの給電のための黒いケーブルの2本で済むようになっています。モーターコントローラーはASIAIRとWi-Fi子機としてつながっていて,ASIAIRからのWi-Fi電波をタブレット端末につなげて専用のアプリで操作します。セッティングしてしまえば後は,家の中から(遠征などでは車の中から)すべての撮影操作がリモートで可能です。

タブレットの操作画面

ASIAIRが優れているのは,撮影目的の天体を近くに導入すると,Preview撮影して星図の位置と照合して,中心に来るように自動で補正してくれるプレートソルビングがかなり速くできることです。オートガイド-ソフトの使い勝手なども良く,天体写真をとるための機能がほとんどすべて詰まっていると言えます。これに備えるように,CCDカメラも新たに購入しましたが,まだ使い方がよく分かっていません。晴れたらベランダでテストを重ね,10月頃から遠征してうまく撮影ができるようにしたいと思います。この日,夕方まで晴れていたので,テスト撮影でM16 を撮ってみました。

M16 わし星雲(ハッブル望遠鏡の創造の柱で有名)

冷却CCDは,電源を入れると数分で氷点下まで下がりました。感度に相当するgeinという値を100にして60秒露出,48枚を画像処理しました。ノイズがことのほか少なく,露出を伸ばして数枚の撮影でディープスカイを浮かび上がらせられるように感じています。