最近の撮影機材とあれこれ

2015年に自動導入赤道儀を使い始め,オートガイダーによる直焦点撮影にはまって,以来の赤道儀マウント(SkyWatcherEQ5)を今回,新しいものに買い替えました。機材を買い足すことをこの業界では,「軍拡」と呼んでいますが,デジタルになってからの天体写真は何のかんの比較的安上がりにできる,という錯覚でいつの間にか軍拡が止まらない状況になっています。このブログの天体写真を見て参考にしたいという方もいらっしゃったので,ここで,撮影機材と経験(方法)についてまとめてみようと思いました。

 遠征する場合,赤道儀は,昨年(’21年)暮れに,iOptronのGEM28を購入し,10年以上前から持っていたVixsenのGP赤道儀をSynscanで動かすように改造したものとの2台体制です(EQ5と同じタイプですが,コントローラーが新しくなって良くなった)。鏡筒は,SkyWatcher のBKP130にコマコレクターを付けたもの(口径13㎝焦点距離588㎜)と,30年前のPentax75EDHF(口径75㎜fl500㎜)にレデューサーを付けてF4.5にしたもの,それと昨年購入した,AscerACL200(口径5㎝ fl200㎜)。GEM28 に上記2つ,ACL200はGP,ときどき75EDHFもGPに乗せて, 効率化(?まだトラブルが多く実現していませんが)を図っています。

iOptronGEM28赤道儀,低価格な割に搭載重量が大きく期待しているところです。

 2台体制になった理由は,カメラを冷却CMOS2台にしたからです。それまでデジカメCanonEOSkissX5,1台でしたがZWOのASI533(センサーサイズ1インチ)を使って全然違うことに驚き,ASI2600MC(センサーAPS-C)をも買ってしまったのでした。ASI533とBKP130 の相性はとても良く,タカハシのε130より,焦点距離が長いので大きな銀河などにも向いています。また,ACL200とASI2600も良い組み合わせだと(実は友人に勧められた)思います。したがって,望遠鏡制御と撮影もASIAIR-Proを2台使っています。昨年は2台ともWi-Fiで運用する(つなげる)のにうまくいかなかったりしましたが,GEM28 はケーブル接続で問題なくつながります(GPもシリアル接続にするようにしています)。極軸合わせですが,EQ5を使い始めた時,2スターアライメントでの極軸合わせがうまくいかず(地平線近くの星が山や木立で見えないとか),QHYのPolemasterを使い始めたのですが,最近はオートガイドなので極望で十分だなと考えています。40分ずれの円と北極星の時角(スマホのアプリで調べ)で合わせています。
 オートガイドは,はじめはスタンドアロンのSynガイダーというのを使いました。カメラも付いていて,しかし感度が低く,2等星か3等星をガイドマウントで導入(そういう時代があった)しなければならず,ガイド鏡にファインダーを付けて導入したり疲れました。その後,ステラショットを使いましたが,あのアストロアーツの(SN)の星図の勾玉星雲の輪郭に騙されたりしつつ,ガイドソフトはやはりPHd2が優れモノだと感じ,APTも少し使いましたが,ASIAIRがProになったときに切り替えました。ただ,ASIAIRで接続マウントの選択が「SynScan」ではなく「SynScan-beta」でなければならないことに半年間気づかず,全然使えないことにイライラさせられました。これも,はじめは星図が必要かと思いましたが,プレートソルビングだけで十分だとしばらくして気づきました。ASIAIRには,写真で分かるように中継ルーターを付けてWi-Fiがよく飛ぶようにしています(新しいのはアンテナが付きましが)。
 ASIAIRの弱点は,Autorunの設定で,露出時間や枚数が細かく決められない(1分,3分,5分,10分とか)ところかなと思います。CMOSのオフセットなども設定できませんが,実用上何とかなっている感じです。また,スマホやタブレットをどうするかではけっこう悩んでいます。本体だけでも3万以上するのに,さらにiPadなどを新調するのも,と思い,中国製の安いタブレットを使い始めたのですが,ASIAIRアプリは結構重いようで,何度か普段使いのスマホで代替せざるをえなかったりしています。スマホですと画面が小さくピント合わせの時に困ってくるのですが,今回暮れに(軍拡だらけ)やはりZWOのEAF(電動フォーカサー)も買ってしまったので,ピント合わせは何とかなりそうです。
 ガイド鏡は,3センチfl120㎜のもので,ガイドカメラは,ZWOのものでないとASIAIRが使えないので,それまでのQHYのものが1個余っています。ZWOASI120miniを買い足し,それまで惑星撮影に使っていたASI224をガイドカメラに回しました。それで,惑星撮影(セレストロンHD800 20㎝シュミカセで自宅でする)にPlayeroneのMars-Cを買い足しました。で,流星撮影用にNeputune-Cも買っています(こうやって散財がとまらない)。
 そして,遠征では問題になるのがバッテリーですが,はじめは鉛蓄電池のものから中国製のリチウムイオンのも(500Wh)が一つへたってきたみたいで,買い替えた400Whクラスのものを2台持っていきます。パソコンを使わないので,また最近は結露除けヒーターもあまり使っていない(段ボールフードでたいていしのげる)ので一晩の撮影でちょうどもつ感じです。
 関東地方在住で,良く晴れるのは冬ですが12月~1月,2月は寒さ対策も撮影ノウハウのうちかもしれません。最近5Vのモバイルバッテリーで使う電熱チョッキをAmazonでぽちってしまったのですが,全然だめですね(あっという間にバッテリーがなくなる)。ホッカイロなどのほうが実用的だと思います。また,あったかインナーもつい最近グンゼのホットマジックを使い始めましたが,かなりいいと思っています。とにかく,重ね着(ダウンの)とカイロでしのいでいる感じですが(防寒着もそろえようとすると金額はバカにならないですね)。
 遠征場所ですが,八ヶ岳方面,富士山(山梨)方面が定番でしたが,去年8月に台風一過でようやく晴れた時,SCWの予報を見て北茨城の国道349号線沿いに行ってみたところ,見晴らしのよさが気に入っています。八ヶ岳や富士山も風光明媚と言えば言えますが,なにしろフォッサマグナ大地溝帯ですから,要するに険しい山間部だからこそ人里まれで星見に適しているのですが,北茨城の阿武隈山地は,なだらかです。なんか,古い昔の日本の風景を見ているようなところで,つい先月にも,晴れそうなので出かけてしまいました。ただし,東京西部からですと首都高の高速代も往復プラスされるので,高速代が9000円近くかかるのが難点といえば難点でしょうか。
 自分では楽しんでやっていることですし,金額的にもっとすごい機材を導入されている方も多くいるのでつつましくやっているつもりですが,月に1度くらいのペースで出かけたり,やたらに宅配便で荷物が届いたりすることで,家人に気兼ねすることも多くあることを付け加えて,趣味の一端の紹介とさせていただきます。