庭撮りをはじめました。
実は,昨年の夏に住み替えをしました。老後のことを考えて,終活の一端ともいえますが,都市部のマンションから郊外の戸建て(といっても2階建ての集合住宅)へ。光害は前よりは少なくなり,住宅地で狭いながら庭があるので,天体写真もこれまでのようにベランダから南側の空だけでなく,天頂付近も撮影できます(低空は前の家で見えなくなりましたが)。肉眼でもすばる(プレアデス星団)が分かり,3等星までよく見えます。公害カットのワンショットナローバンドフィルターで,オリオン座周辺がこのぐらいまでは写ります。
こちらは,DTDフィルター(赤外線も透過)を使用してのアンドロメダ銀河。
機材を車に積み込んで,夜通し寒い思いをして遠征しなくても,これぐらい写れば十分という気がしますが,やはり暗いところより露出時間がかかり,階調が単調になっているようです。自宅にいて,望遠鏡のセッティングも楽で気軽な反面,遠征で撮った同じ対象の写真と比べると,やはりそれらを凌駕することはないみたいです。
そこで,何を撮るか考えたのですが,今まで撮っていない,マイナーなものや,星雲以外の天体(星団)などの特徴が分かる写真なら良いかと思いました。左はハッブル宇宙望遠鏡の撮影で有名になったArp237(宇宙のバラ)と,カシオペア座にあるNGC7789(キャロライン星団)です(画面をクリックすると拡大します)。
11月の晴れの多くなった頃から,いろいろ試したのですが,遠い銀河とか星団以外の散光星雲やまして分子雲などを撮影するのは,どうしても空の暗い場所へ遠征するしかないようです。結局,庭撮りでは欲求不満になるので,昨年の終わりにはやはり西湖に遠征して,おうし座の分子雲をモザイク合成で仕上げてみました。
最近の画像処理技術の発達で,やはりコレコレこの感じ(孤独のグルメ風感想)でないと満足できない気がします。それから,ナローバンドでの自宅撮影では月の影響も無視できるので,晴れていればいつでも撮れますが,さすがに毎晩天体写真を撮る気力も体力もありません。せっかく晴れているのになにもせず寝てしまうのが後ろめたく感じられ,それがストレスになっていましたが,ここは潔く遠征と同じぐらいの頻度で新月期によく晴れてたら撮る,を基本姿勢にしようと思っています。というか,やはり遠征しないと達成感がないと思います。結局堂々巡りの結論ですが,庭撮りに関する今のところの感想をまとめてみました。