大鹿村の中央構造線(MTL)博物館へ行きました。

11月18日、八ヶ岳への星見(しし座流星群を見るため)の帰り、前回は雨で断念したのですが、天気もよさそうでしたので、足を延ばして長野県大鹿村の中央構造線博物館へ行ってきました。今年から乗り始めたバイクで1番の遠出でした。国道20号(甲州街道)の茅野市から、杖突峠に登り秋葉街道を南下して分杭峠を越え大鹿村へ、まさにツーリングコースです。杖突峠は標高1247m、分杭峠は1424mと険しい道でしたが、この秋葉街道が中央構造線の断層地形(破砕帯で侵食された)を示しています(左図の青い線)。

分杭峠を越えてすぐのところに、有名な中央構造線の北川露頭がありました。駐車場と案内標識が整備されて、天然記念物に指定されています。残念ながら、露頭の表面は風化して崩れていましたが、右側の三波川変成岩と左側の領家帯の風化した花崗岩(茶色)のコントラストは遠目に見れば良くわかります。正確には、この風化した部分が断層の破砕帯であるようです。谷によって削られた露頭ですが、川にはまぎれもなく長瀞で見るような結晶片岩が露出していて、三波川帯を実感できました。この露頭(地層)の見事な剥ぎ取り標本は、中央構造線博物館のメインの展示となっていました。

大鹿村の中央構造線博物館にある北川露頭の剥ぎ取り標本

博物館は、中央構造線上に位置しているということで、屋外に岩石園のように岩石が展示されていました。地学の授業でこれを見せられたらいいなと思いできるだけ写真を撮っておきました。
ここでも、領家帯という部分の多くはマイロナイト(圧砕岩)として破砕帯の特徴が示されていました。かなり専門的な岩石が所狭しと並べられているので、なんだか可笑しく感じました。
 中の学芸員さんの解説も熱がこもっていて、小さいけれどすごく誇り高い自負が感じられる博物館です。

日本を代表する地質構造のど真ん中、というロケーションが素晴らしいからだと思います。館内用のスリッパに略称のMTL博物館とあるところなども、文字数をケチったからかもしれませんが、黄門様の印籠でも示されている感じがしたので、思わず写真を撮りました。


また、もう一つ見ものだったのが、地質図のジオラマで、ボタンを押すとガーっと断面が見られるもので、地形と地質図と断面図の3Dであるところに感動しました。他のポスター的説明もかなり専門色が強く、マニアック。以前タモリ倶楽部(テレ朝)でここが紹介されていたときも、タモリが行きたくてまだ行けないと言っていた、価値をあたらめて感じました。帰りは伊那谷に出て、中央高速道をひた走り、家に着いたのは夕方遅くでしたが、楽しい巡検になりました。

おまけ(杖突峠展望台からのパノラマ写真)

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