デジタルアポロ(月を目指せ 人と機械の挑戦)デビット・ミンデル著

2016年に公開されたアメリカ映画「ドリーム(原題:HIDDEN FIGURES)」は、劇場では見ていないのですが、最近になってDVDで見てとても感動しました。アメリカの有人宇宙飛行(マーキュリー計画)については、80年代の名作「ライトスタッフ」があって、30年前にも同じような感動を味わったことがよみがえりました。そして、その話をしたら友人からこのデジタルアポロという本を教えてもらい読んでみました。アポロ11号の月面着陸にいたるロケットや月着陸船の制御工学の内容で、ボリュームがあってすこし飽きてしまう部分もありますが、現在のAIや自動運転の問題につながっていて興味深くよみました。アポロ計画に関しては、事故で有名な13号の映画(アポロ13)があり(この本では、13号のことはほとんど触れられていません。多くがすでに語られているからでしょう。)、それと立花隆の「宇宙からの帰還」というノンフィクションとその映画があり、これも昔見て、月におりたった宇宙飛行士たちが気楽にしていた印象だったのですが、月面着陸初の11号のミッションでは、アームストロング船長やヒューストンの緊張ぶりが詳細に書かれています。着陸体制(ピッチ・オーバー)に入るとにアラーム(警告灯)がいくつも点灯し、操作ミス、ソフトウェアのバグ、なんとハードウェアのハンダづけ不良までありながら、継続(ゴー)された結果だったのです。着陸寸前に自動操縦から手動制御に切り替えたりあたふたし、予定地点から6kmも離れた地点に着陸したという話はあまり知られていないと思います。ライトスタッフで描かれていたように人間は機械を信用したがらず、人みずからの技術や困難の克服のほうが英雄視される傾向があります。だいたい全編がこの問題を扱っていると言って良いです。今後様々な分野で人がAIに取って代わられるというのは、私達にとって根源的で潜在的な驚異だということがよく分かる話です。私が若い頃に運転していた360ccのジムニーのボンネットの中身と今の自動車のそれを比べれば、どういうことが起こっているのかわかることなのですが、このコトを若い人たちにも理解してほしいと強く思っているこの頃です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です