国立天文台講演会/第23回アルマ望遠鏡講演会「冷たい宇宙に挑むアルマ望遠鏡―惑星誕生のミステリーに究極技術で迫る―」に行きました

2月4日にお台場の国際交流会館で行われた国立天文台のアルマ望遠鏡についての講演会に出かけました。

構成は、講演1:「アルマは一日にしてならず」 長谷川哲夫(国立天文台) 講演2:「アルマ望遠鏡」<ものつくり>の熱き奮戦 山根一眞(ノンフィクション作家) 講演3:アルマ望遠鏡が見た惑星形成の現場 武藤恭之(工学院大学 教育推進機構准教授)でした。

南米チリのアタカマ高地(標高5000m)に日本、アメリカ、欧州などの協同で作られた電波望遠鏡アルマは、運用開始直後の2014年におうし座HL星の惑星形成の様子を鮮明な画像で(視力2000という)明らかにして一躍その性能と成果の可能性に期待がもたれました。その計画から実現、日本のものつくり技術力、そして惑星誕生の研究の最前線について3人の方々からのお話で現場の様子を知ることができました。日本の電波天文学は野辺山の施設(懐かしい太陽電波望遠鏡、森本先生の「望遠鏡を作る人々」や45m電波望遠鏡)から続く日本のお家芸の一部とは思っていましたが、改めてすごいことをやっていると感じました。

特に、このおうし座HL星の画像は衝撃的でした。これが惑星が作られている恒星系か、だけでなくこの画像の解釈をめぐって議論が続いていることを伺えたのは収穫です。問題はこの黒い筋(溝)の部分がどうしてできているかだそうです。一つはガスと塵が集積してこの部分に惑星が形成されつつあるという解釈と、何らかの温度低下(相変化による)物質の違いか、と意見が分かれているということです。ほかの若い恒星円盤をさらに検討して、先日のIPMUの生命探査にも通じるホットな研究が続けられていることを知ることができ、有意義でな講演を聞けて満足でした。

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