4単位の地学の教科書に掲載されている実験ですが,小さい100個ものサイコロを用意する(ネット通販で1セット1000円程度)かどうか迷うところかもしれません。人数の限られた選択の授業なら,大した額ではないので私はポケットマネーで買ったこともあります(写真はそれ)。

100個のサイコロを振って(手のひらサイズのフタがある箱に入れて行う),出た①の目の数を崩壊した原子とみなし,1回ごとにその①のサイコロを取り除いて,残ったサイコロの数をグラフにしていくと,負の指数関数のグラフになることを確かめるというものです。確率というギャンブルの数学を実際に確かめるのは,意外に楽しいもので,最後の1個でなかなか①が出ないことなどで結構盛り上がる実験です。グラフを書いて,理論式などの考察の時間も入れると ,試行回数を2回までにとどめないと 1時間では収まらなくなります。半減期の理論的な考察についてはこちらをご覧ください。→半減期の計算

時間がかかるので,エクセルなどで乱数を発生させて試行させたらどうかと,ふと思ったのですが,①を取り除く部分は,プログラミングの方が簡単なので,Python(パイソン)で書いてみたのが下のコードです(簡単ですね)。コンソールに出力した値をエクセルにコピーして,グラフにしてみました。理論値は,=100*(5/6)^Nという式をセルに書き込んだ行を追加した結果です。また,Javascriptで実験をできるようにしてみました。

# Pythonによるサイコロ100個の試行実験

import random as rnd
n = 100
while n > 0:           #nが0になるまで繰り返す
    for i in range(n):
        num = rnd.randint(1,6)     #サイコロの目を出す
        if num == 1:
            n -= 1   #1なら取り除く
    print(n)

100個のサイコロを振って1の目を取り除く試行実験

Javascriptを使って,web上で実験をできるようにしてみました。「試行する」ボタンをクリックすると,結果が表示されます2回目以降は,下に続けて表示されます。[ ]の中が出たサイコロの目,「クリア」ボタンでやり直せます。