日本列島の形成史を理解するために,地体構造と地質分布を白地図に記入する実習用の白地図と完成図をつくりました。あまり詳細すぎないように,主な地質帯に絞りました。参考文献:「絵でわかる日本列島の誕生」堤之恭(2014)講談社。
日本列島の地帯構造の特徴
- 4つのプレートがひしめく島弧として世界にもまれな地質構造をもっている。基本的には海溝での沈み込みと火山フロント列が日本列島の骨格をつくっている。
- 島弧と海溝,および火山フロントがそれぞれ平行に並ぶ
- 千島弧,東北日本弧,西南日本弧,伊豆小笠原弧,琉球弧,中央構造線,糸魚川静岡構造線,フォッサマグナなどが認められる
- 特に西日本の地質境界は海溝に平行しており,中央構造線をはさんで,高温低圧型の領家変成帯と低温高圧型の三波川変成帯の帯状構造が顕著
- フィリピン海プレートの境界は南部フォッサマグナでハの字に屈曲して,陸上にも続いていて,地質構造も平行に銚子まで続いている
各地質帯 (Ma = 100万年)
- ① 飛騨帯,日立変成岩,南部北上帯[ 古い大陸地殻 ]
- ② 三郡・蓮華帯→300Maの高圧変成岩帯
- ③ 秋吉帯→[ ペルム紀 ](250Ma)の海洋島付加体(礁サンゴ)など
- ④ 秩父(丹波・美濃,足尾)帯[ ジュラ紀 ]の付加体
武甲山などの石灰岩ブロック(ペルム紀)や玄武岩,チャートなどからなる以前は秩父古生層とよばれた - ⑤ 三波川帯→白亜紀後期の付加体が変成を受け上昇した[ 高圧型 ]変成帯
- ⑥ 領家帯→ジュラ紀の付加体が白亜紀に変成した[ 高温型 ]変成帯
- ⑦ 四万十帯→白亜紀~古第三紀の変成付加体