地学の実習で使う顕微鏡は生物顕微鏡でなく倍率が10~20倍程度の実体顕微鏡(解剖用顕微鏡や双眼実体鏡)が良く使われます。生物顕微鏡が一人一台あるのは珍しくないと思いますが,双眼実体顕微鏡まで生徒人数だけ備えてある学校はまれだと思います。1台10万円前後ですし理科室のスペースの問題もあるでしょう。このブログページでも砂の観察や,火山灰鉱物の観察では双眼実体鏡を使っていました。務める学校で今年スマホに取り付けられる廉価なものが話題になり一人一個ずつ使える数を購入して実習を行いました。現在,製品の購入先は→こちら。写真のようにスマホやタブレットのカメラに挟んでデジタルで拡大(ピンチアウト)すると,約50倍くらいにまでなります。

稲村ケ崎の海岸砂を拡大しているところ。プラスチック製のスマホ顕微鏡。
スマホは各自のもの。写真に撮ってからスケッチすることもできる。
飯室泥岩層に含まれる有孔虫化石。生徒の撮影したもの。
飯室層に含まれる有孔虫化石

有孔虫の資料は,世田谷区和泉多摩川の多摩川河床から採取した飯室泥岩を粉砕し,#100メッシュのふるいにかけたものです。川崎市青少年科学館の資料をもとに,スマホで学名を検索させて同定することもできました。

一人一台なので,効率よく観察できる。
砂の観察ではこのような試料を備えています。
かわさき宙とみどりの科学館資料より作成

このスマホ顕微鏡は一個1000円程度です。ぜひ多くの学校でも導入が広がることを期待します。