簡易日射量計(写真)が理科の備品として揃えられている学校(中学高校)は少ないと思います。環境学習でも是非やるべき実験で、太陽からのエネルギーがいかに莫大なものかを知り、熱量(cal)とエネルギー(ジュール)の単位や比熱の換算などの概念形成にとても役に立つ実験です。備品がない学校でも容器を工夫すれば良いので、これは以前、環境の自由研究の例として行ったものですが、紹介します。
用意するもの:ゼリー飲料の容器(口の部分がふさがっていないもの)、棒温度計(100均の水槽用が良い)、計り(キッチン用)またはメスシリンダー、ゴム風船、発泡スチロール板、黒の油性ペン、カッター、木工ボンド、つまようじ
①カラにしてよく洗ったゼリー容器の片側を太陽光を吸収しやすいように、油性ペンで黒く塗る。水の入らない縁の部分はぬらない。黒い部分の面積を計算しておきます。
②容器の容量だけ、水を入れ、大きさ(厚さ、幅、高さ)を測る。
③大きさに合うように、発泡スチロール板で図のような囲いをつくり、木工ボンドで接着して作る。
④ゴム風船の口のところを切って、図のように温度計にはめてみる。これで容器の口と温度計をつなぐフタにする。
⑤写真のように水を入れ、発泡スチロールの裏につまようじを差し込んで立てかけ、太陽に向くようにつまようじで傾きを調節する。
晴れている日に実験を行います。1分ごとに温度を測定します。水の量はあまり多くないほうが良いです。測定後に水の重さまたはメスシリンダーで体積をはかり、次のような計算で求めます(容器の温度上昇は無視しています)。
日射量=(温度上昇✕水の量(g))/(面積(平方cm)✕時間(分))[cal/平方cm・分]
太陽定数(地球大気上端での値)は1.96[cal/平方cm・分]ですが、快晴の日の昼頃で、この50~60%になると思います。それでも、家の屋根ほどの面積で、これを1時間も続ければすごいエネルギーになることは、様々なエネルギーと比較すると驚くと思います。