岩石をつくる鉱物についての実習にはケイ酸塩の結晶構造を原子模型でつなぎ合わせてSiとOの比を理解するといった実習(高校地学)も行いますが,実物で観察するのは火山灰洗いをして双眼実体顕微鏡で観察するのが効果的です。ただし,火山灰洗いは文字通り泥臭い実習で,水道と流しの設備をつかい泥を回収する,乾燥に丸一日使うなど,制約もあります。驚きは,ただの土の中にこれほど綺麗な鉱物が入っていることを実感することで,それは普通の砂(海岸や川で洗われた)を顕微鏡で見ることでも得られると気づいてからは,洗ってあるものを人数分(一握り/クラス)用意しておけば毎年繰り返し使えて,1時間でできるので効率も良いと,いうことで行っています。
関連ページ → 「海岸の砂つぶから地球を読む(JpGU講習会)」 「スマホ顕微鏡による砂や有孔虫の観察」
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造岩鉱物でもっとも風化されにくい石英は,砂漠の砂粒のほとんどが石英であることを,エジプト旅行で持ち帰ったサハラ砂漠の砂で見てもらいます。湘南の稲村ヶ崎の黒っぽい砂には橄欖石や輝石が多く含まれています。一方,新島の砂は石英が圧倒的に多いのはデイサイト質火山の特徴,など火山灰も3種類をそれぞれひとつまみ持って行っては1時間でほぼ7種類を観察することができます。中学2分野では,泥洗い。高校では砂の観察の方が良いように思います。
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