ぎょしゃ座の五角形の中にある散光星雲で,日本では勾玉星雲と名付けていますが,英語ではFlaming star nebula(燃え上がる星-星雲)となっています。中心付近の6等星はぎょしゃ座AE星で,固有運動が大きく,ランナウェイスター(逃走星)と言われ,オリオン座にある連星系同士の衝突ではじき出されてここを通過中だそうで,星雲を青く光らせているのが美しいアクセントになっています。
新しい鏡筒(FMA400)での勾玉とIC410(髑髏星雲)のペアの構図です。もう少し露出を増やしたいところです。
2021年,コロナ以来遠征もままならなくなりましたが,11月になって落ち着いてきたのですが,寒候期に入ってもなかなか天気が安定せず,ようやく久しぶりの遠征で群馬県の妙義山(初めて)まで行って撮影しました。APS-Cサイズと200mmでは,勾玉星雲と散開星団のM38,36まで入れて撮影できるので(星雲が淡いので)チャレンジしてみました。
2020年暮れにさらに機材を購入しました。AskarACL200という天体専用に設計された焦点距離200㎜の望遠レンズで,いままでより広い範囲が撮れるので勾玉星雲と隣のI405 も入れて見ましたが,CMOSカメラでは,テスト撮影でこの淡い星雲の輪郭はわからず構図が失敗でした。さらに北側にも星団などが煌めいているのですが,画像の半分が使われずじまいです。でも,5分20枚(1時間40分)で星雲自体は意外によく撮れていると思います。
画像処理で,星が多くてうるさく感じる(このぎょしゃ座のような天の川のなかなど)ときに,星を小さくする方法がいくつかありますが,最近「たのしい天体観測」(丹羽)さんのブログで紹介されて話題になっている方法を試してみました。確かに簡単で劇的に変わりました(2021年2月1日)。
次は,ASI533MCProと13㎝反射(焦点距離588㎜)による中心部をクローズアップした画像で,画像処理で星雲のマスクのかけ方を試してみました。下のがオリジナル,上がマスクをかけて星雲を強調し,星の大きさを小さめに処理(星マスクとMFで)してみたものです(2020年11月23日)。