(2022年12月記)今まで撮り直ししてきたM33ですが,また新機材で更新します。2年前には口径130㎜の反射望遠鏡でしたが,今回は口径72㎜焦点距離400㎜の屈折鏡筒(AscerFMA400)を購入してファーストライトでした。反射の焦点距離588㎜より短いですが,カメラのセンサーサイズ1インチとの組み合わせは,画角的には余裕があってぽっかり浮かんでいる感があるかと思います。画像処理の方も,Deconvolutionという数学手法を画像に応用したものを自動で行ってくれるプラグインを使い始めました。星や構造ががシャープに再現されて,ガイドエラーなどもなかったようにしてくれます(なんだか他力本願)。2年前は書いた通り,処理によってイメージが一定しないとぼやいていましたが,もう極力画像処理ソフトに頼り,色はできるだけおまかせで,彩度をあげてきれいだな,と思う程度にしていこうと思います。結果的には,口径が大きい反射より,この新機材の屈折望遠鏡の方が星像もシャープで星もたくさん写っているようで我ながら感心しています。M33は,赤い水素が集まっている星形成領域がいくつも見られますし,銀河の腕の部分がザラついているところがありますが,これは星団の集団なのだそうです。これも,かなり描写できているのが今回の写真です。ぜひ画像をクリックして拡大してみてください。
また,画像処理をやり直してみました。どの画像処理がいいのか悩んで選んだ1枚ですが…
2020年11月11日と14日に総露出時間2時間5分で撮影。
2019年のおわりに1眼レフ(EOSkissX5)で撮ったM33が会心のできだったのですが,2020年に冷却CMOSカメラの導入でさらに細部が描写できることが分かりました。ただ,光っている感じの散光星雲と比べて銀河には(星があるので)構造があって,色や明るさも複雑です。そのため画像処理に戸惑うことが多く(本当の姿は分からない?)処理をしているとストレスになってくることがあります。たとえば,次の2枚では,どちらが良いか自分でも分からなくなってきて,困惑させられるのです。
望遠鏡を新たに購入しました。口径13cm,焦点距離650mmのニュートン反射式です。早速遠征で撮ってみたかったのがM33でした。先月7.5cmの屈折で,意外によく撮れたので,もっと大きい口径でと欲が出たみたいです。このように新兵器を導入することを「軍拡」と言ったりしますが,ほどほどにしておかなければ良くないのは言うまでもありません。でもちょっとハッブルで撮った系外銀河のように撮れて嬉しかったりします。Hα線をよく通すフィルター(HEUIB-II)も使用しました(2019年12月23日撮影)。
北半球ではアンドロメダ銀河に次ぐ大きさですが,M81などに比べると全体が広がっていてやや淡く光っているイメージです。画像処理でなんとか風格を出せたと思います(2019年11月撮影,口径75mm屈折,焦点距離500mm)。